認知症の相続人がいる場合はどのように手続きを進めるべき?
相続手続きを進める際、相続人の中に認知症の方がいると、通常の手続きよりも慎重に進める必要があります。
本記事では、認知症の相続人がいる場合の手続きの進め方をわかりやすく解説します。
基本的な相続手続き
認知症の相続人がいる場合でも、基本的な相続手続きは通常の相続と同じです。
しかし、認知症の相続人が判断能力を欠いている場合は、まず家庭裁判所に後見開始の申立てをする必要があります。
遺言書の有無
遺言書の有無で大きく手続きは異なります。
遺言書がある場合の手続き
被相続人の遺言書がある場合は、その内容に従って遺産を分けます。
遺言書がない場合の手続き
遺言書がない場合は、相続人同士で遺産分割協議を行います。
話し合いがまとまらない場合は、調停や裁判などの手続きによって解決を目指すことになります
認知症の相続人がいる場合、その方は協議や調停に参加できません。
認知症の程度によっては、判断能力がないとみなされる可能性があります。
その際は、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらい、その人が代わりに手続きを進めます。
法定後見の申し立てを行う
成年後見制度は、判断能力が十分でない人に代わって法的な手続きを行う人を選ぶ制度です。
もし判断力が低下する前に任意後見契約を結んでいなければ、法定後見に進む必要があります。
そのため、法定後見の申し立てを行います。
成年後見制度の手続きの流れ
まず、家庭裁判所に対して成年後見人等の選任を申し立てます。
この申立ては認知症の相続人の家族や親族が行うことが多いです。
裁判所は、本人の財産状況や生活環境などを調査し、適任と判断される人を成年後見人等に選任します。
家族が後見人等になることもありますが、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれることが多いです。
後見人等に選ばれた人は、認知症の方の財産を守る立場として、遺産分割協議に参加し、その人の権利を代弁します。
また後見人等には家庭裁判所への報告義務があるため、不正や不当な取り扱いが起こらないように監督されます。
まとめ
認知症の相続人がいる場合は、どのように手続きを進めるべきか解説しました。
活用する成年後見制度は専門的な知識が必要なため、弁護士に相談されることをおすすめします。
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