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連絡が取れない相続人がいる場合の相続手続きはどうする?

遺産の分配について話し合う遺産分割協議には、相続人全員が参加する必要があり、一部の相続人を欠いた状態でなされた遺産分割協議は無効とされます。

一部の相続人と連絡が取れない場合であっても、被相続人が作成した遺言書において、すべての遺産についての相続方法が指定されている場合には、当該遺言にもとづいて遺産分割を行うことができますが、遺言書が存在しない場合には、遺産の分配を進めることができません。

では、このようなケースにおいては、どのような対応をすることが適切なのでしょうか。

以下解説していきます。

相続人と連絡が取れない場合の手続きの進め方

仮に、電話や手紙によって連絡を取ることができない相続人がいる場合、以下の手段が考えられます。

 

①相続人の住所の調査

相続人の本籍地が判明している場合、本籍地を管轄する役所に当該相続人の「戸籍附票」を申請して取得すれば、住民票上の住所地が記載されています。

この方法により、相続人の住所が判明したら、まずはその住所に赴いてみましょう。

 

②不在者財産管理人の申立て

不在者財産管理人とは、財産管理人を置かずに行方不明になっている場合において、本人の代わりに財産管理をする人を選任する手続きです。

共同相続人であれば、利害関係人として、管理人の申立てを行うことが可能です。

遺産分割を行わずに放置するとどうなる?

以上のような手続きを面倒に感じ、遺産分割を行わないまま放置することによるデメリットとしては次のようなものが考えられます。

 

①預金債権の時効消滅

口座名義人が死亡し、遺産分割を行わないまま口座を放置し10年が経過した場合、預金債権が時効により消滅し、預金の支払いを受けることができなくなる可能性があります。

もっとも、実務上は、10年が経過した場合であっても、適切な手続きを踏めば、支払いに応じてくれるケースがほとんどです。

しかし、支払いに応じるか否かは、各金融機関の判断に委ねられるものであり、確実に支払いを受けられるとは限りません。

 

②不動産の利用に制限がかかる

相続が開始すると、遺産分割等によって相続分が決定されるまでの間、相続財産たる不動産は各相続人の「共有」状態となります。

不動産が共有状態にある場合、当該不動産の売却や解体、建替え等を行うためには、共有者全員の同意が必要となりますが、相続人の一部と連絡が取れないままですと、不動産の処分を行うことができなくなってしまいます。

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