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離婚調停の申立てから終了までの手続きの流れ

離婚調停とは、家庭裁判所に調停を申立て、調停委員を交え、夫婦関係の解消に向けた話し合いを行う手続きをいいます。

我が国では、調停前置主義が採用されているため、離婚訴訟に先立って調停を実施する必要があります。

もっとも、離婚調停が不成立となって、訴訟を提起するケースはそれほど多くなく、実際には調停手続き内で解決が図られるケースがほとんどです。

では、実際の調停はどのような流れで進んでいくことになるのでしょうか。以下解説していきます。

調停の申立て

調停を申し立てるためには、いくつかの書類を準備し、家庭裁判所に提出する必要があります。

 

  • 必要書類について

調停の申立てに必要なものは主に以下のとおりです。

①離婚調停申立書

②事情説明書

③子についての事情説明書

④連絡先などの届出書

⑤進行に関する照会回答書

⑥夫婦の戸籍謄本

 

なお、夫婦が現在別居中であり、他方当事者に自身の住所を知られたくないといった事情がある場合には、住所の非開示希望申出書も併せて提出することが考えられます。

 

  • 家庭裁判所への提出

家庭裁判所は全国に存在しますが、申立書を提出する裁判所はどこでも良いわけではありません。

家事事件手続法上、離婚調停を行う裁判所は原則として「相手方の住所地を管轄する裁判所」とされています。

例えば、妻が離婚調停を申し立てようと考えたら、原則として夫の住所地を管轄する裁判所に申立書を提出する必要があります。

持参する方法により提出を行えば、間違いがあった場合にもその場で訂正することが可能ですが、仮に持参する方法による提出が難しい場合でも、郵送で提出をすることが可能です。

申立書の受理・期日指定

申立書を家庭裁判所に提出し、これが受理されると、申立人および相手方に対し調停期日指定書というものが届きます。

ここにいう期日とは、調停が行われる日のことを指し、原則として出廷することが必要となります。

もっとも、指定された期日に出廷することができない事情があれば、裁判所に連絡をすることにより欠席することも可能です。

また、弁護士に依頼している場合には、遠方の裁判所であっても、法律事務所での電話会議やWEB会議で期日対応が可能となります(もっとも、離婚成立時の調停期日には、双方とも出頭することが必要となります)。

いずれにせよ、無断で欠席することだけは避けましょう。

第1回調停期日

指定された期日には、家庭裁判所に赴き、以下のような流れで調停委員とのやりとりを行います。

 

①待合室で待機

調停では、夫婦がお互いに顔を合わせることがないように配慮がなされています。

調停委員が待機する調停室に交互に入り、交代で調停委員と話合う運用になっているほか、待合室も夫婦それぞれに別々の部屋が用意されています。

さらに、DV事案で暴力等の恐れがある場合には、家裁と事前に協議した上で、DV被害者側の待機室兼調停室を、加害者側とは別の階の別部屋を取ったり、同一日ではなく別日に開催することも可能であるほか、期日が終わって帰る際にも、加害者を調停委員が調停室に留め置いて話をしている間に先に被害者側を帰宅させることで、裁判所内で双方が物理的に遭遇しないようにするなど、細心の注意が払われています。

家庭裁判所に赴き、受付を済ませると、待合室の場所を案内されますので、その部屋で待機をします。

 

②調停委員との話し合い

待合室で待機をしていると、担当の調停委員が呼び出しに来ますので、調停委員の案内に従い調停室に入ります。

調停委員は男性・女性それぞれ1名ずつで構成されており、原則として、事件が終了するまで同一の調停委員と話合いを行うことになります。

1回目の期日では、調停委員の自己紹介が行われたあと、離婚紛争に至った経緯や、今後の希望についての聞き取りが行われることが通常です。

 

③期日指定

1回目の期日の終盤では、第2回目の調停期日の指定が行われます。

基本的に1か月に一度程度の頻度で期日が設けられることが多いです。

2回目以降の調停期日

その後、第1回期日とおおむね同様の流れで期日が継続することとなります。

期日が開かれる回数はケースバイケースであり、調停内で話し合いがまとまれば調停成立、調停がまとまらなければ調停不成立となります。

調停が不成立になってもなお、法的手続きにより離婚を目指す場合には、別途離婚訴訟を提起する必要があります。

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